アタマジラミ
シラミというと、戦後の一時期に蔓延したコロモジラミのイメージから不潔だと受け取られがちですが、現在の日本で不衛生なため発生していることは、ほとんどありませんので、差別やいじめにつながらないよう、正しい認識をもって子どもと対応してください。
卵は、髪の毛に産み付けます。
卵の色は少し透けた艶のある白色です。
幼虫、成虫とも吸血します。・雄、雌とも吸血します。
卵は、まとめて産むのではなく、1日に約5~6個ずつ生み続けます。
温度や湿度によりますが、吸血しないと2~3日程度で死んでしまいます。
どんなことで感染するの?
子ども達は、からだを寄せ合って遊ぶことが多いので、大人よりうつりやすいと考えられます。一般的には、次のようなことでうつると考えられます。
帽子、ヘアーカラーゴム、スカーフ、マフラー、クシ、ブラシ、衣類等を共用する、貸借りすることでうつることがあります。
寝具類、マクラ、シーツ、ベット等を介してうつることがあります。
子どもが頭を触れ合って遊ぶことによりうつることがあります。(相撲等)
集団生活や集団昼寝などで寄り添う時にうつることがあります。(図1)
バスや電車等のソファを介してうつることがあります。(図2)
髪が触れるほど混雑したバスや電車や船等でうつることがあります。
●洗髪が不十分で増やしてしまうことも
子どもが自分で髪を洗い始めたり、子ども同士で洗うことがあります。シャンプーやお湯が目・耳・口に入るのを嫌がり簡単に洗っている場合があります。
特に耳の後ろや後頭部に卵が多く見られますのでご注意ください。
●感染している子どもと遊ばせてよいか
基本的には遊ばせてかまいません。ただし、子どもとスキンシップを兼ね親等が頭髪をまめに観察し、洗髪を十分に行ってください。園や学校等で発生が見られる場合は、日頃から帽子やクシ等の共用・貸し借りをしないよう話してください。差別やいじめにつながらないよう正しい認識で対応をお願いします。
アタマジラミの見つけ方
アタマジラミは、髪の毛の間をかなり早く動き逃げるので、寄生が少ない場合は見つけるのが困難です。最も簡単な見つけ方は毛に産み付けられている卵を探します。卵は一見ふけの様に見えますが、写真のように楕円形です。
わからない場合は、毛ごと切り取りビニール袋に入れて、保健所で見てもらいましょう。
卵が毛から取れて基部だけが残るとヘアキャストと呼ばれる皮膚分泌物に似るので、よく見間違えます。ヘアキャストは指の先でつまんで引っ張ると簡単に動きます。シラミの卵(基部)は、セメント様物質で毛にしっかりと産み付けられているので、引っ掛かる感じがあります。
家庭での駆除方法について
寄生や卵が多い場合は駆除専用のクシを使うと効果的です。
昔はすき櫛が使われていましたが、今では専用のクシが入手できます。
専用のクシは成虫や幼虫だけでなく卵も取れますが、卵は縦 0.5mm×横 0.3mm位なので
クシ幅により引っ掛からないことがありますので注意してください。
シラミ専用クシ(右上は梳き櫛)
〈駆除方法例を2つ紹介します〉
順序
1.専用のクシを用いた効果的な駆除方法
2.駆除薬(スミスリン剤)による駆除方法
1.専用のクシを用いた効果的な駆除方法
◆駆除例:シャンプーの泡ごと専用グシで梳きとる方法です。
この方法は、スミスリンシャンプーを使用してはいけません。(薬剤接触時間が長くなる)
経済的で手軽にできる方法です。シャンプー剤の質により専用グシの使い良さは多少変わります。
髪が長い子や毛が細い子、絡まりやすい毛質の子は、リンスをたっぷり使って行う次のページの、スミスリン剤と専用グシを使う駆除例1の方法がよい場合があります。やりやすい方法を選んでください。
●駆除例の内容と順序について説明します。
(1) 耳後ろや頭皮まで十分に普通のシャンプー剤で洗髪します。
シャワーブラシなどで丁寧にブラッシングして毛の絡まりを無くします。
(2) 専用グシを使ってシラミや卵を除去します。
髪を一方方向(後方がよい)に丁寧にブラッシングして2~3cm位に小分けしながら専用グシで髪の根元から梳きとります。
梳きとったら1回ごとに洗面器で濯ぎます。こまめにクシを光にかざして、クシの根元などに卵などが付いていないか確かめてください。
1㎜位の小さなもの(幼虫・卵)がクシに挟まっている場合は、歯ブラシでそぎ落としてください。難しそうですが、要は再付着しなければよいのです。
(3) 髪をすすいで、ドライヤ-で乾かし終了です。
(4) その後卵の残り具合を点検しましょう。
以上の方法を毎日寝る前に行います。うまくいけば、数日で終わります。
途中で卵が増えていたり、1週間以上続けているのに終わらない場合は、新たな感染が考えられます。
枕、タオル、クシ、帽子などの共用や兄弟間等で感染が行ったり来たりしていないか注意してください。
駆除が終わっても暫くは親が洗髪してあげましょう。頭髪の観察は引き続き行ってください。
<風邪をひかせたくない場合>冬期などの入浴時に、裸で長時間処置を行うと親子共風邪をひいてしまいます。
入浴せずに肩まで入る洗髪用エプロンを使って頭髪だけ処置する方法がよいでしょう。
2.駆除薬(スミスリン剤)による駆除方法
◆駆除例1:十分に泡を洗い流した後、リンスを使って専用グシで梳きとる。
髪が長い子や細い子、絡まりやすい子はリンスを多めに使います。
また、髪を梳く時間もかかりますので、風邪防止のためにも入浴せずに洗髪用エプロンを使って頭髪だけ処置しましょう。
◆駆除例2:髪を乾かした後、明るいところで専用グシを用いて卵を梳きとる。
この方法は(5)がはぶけます。また、通常入浴に近い利点があります。
(1)→(2)→(3)→(4)→(6)→(7)→専用グシ(クシどおりを良くするスプレー等をうまく使いましょう)
●駆除例1の内容と順序について説明します。
(1) 頭髪を濡らします。
(2) スミスリンシャンプーを髪の毛の生え際、耳の後ろ側、襟元まで薬が十分に行き渡るようにシャンプーします。
(シャンプー量は短い髪10ml~長い髪20mlが目安です)
(3) シャンプー後5分間は洗い流さないでください。
(4) 5分後、髪を十分にすすぎます。
(5) リンスと専用グシを使って卵を除去します。
リンスしながら髪を一方方向(後方がよい)にシャワーブラシなどで丁寧にブラッシングします。
髪が長い子などは特に念入りに行なってください。髪を1~3cm位に小分けしながら専用グシで髪の根元から専用グシで梳きとります。
専用グシを光にかざして、根元などに1㎜位の卵などが挟まっている場合は、歯ブラシでそぎ落としてください。
(6) 髪をすすいで、ドライヤ-で乾かし終了です。
(7)その後卵の残り具合を点検しましょう。
以上を1日一回3日間隔で3~4回行ないます。10日経っても駆除が終わらない場合は保健所に相談してください(薬の効かないアタマジラミがいます)。
〈注意〉
※スミスリン剤は用法用量を守りましょう。使い過ぎると皮膚炎を起こします。
※卵は薬に強いので駆除できません。また、抜け殻もとらないと駆除が終了したかどうかわかりにくいので、クシなどで物理的にとりましょう。
※使ったブラシなどに卵が付着していることがあるので、60度を保ったお湯で5分間以上浸けるか熱風のドライヤーをかけます。
※やけどに注意しましょう。お湯の場合は、袋にクシやブラシを入れておき、子どものいないときに処置するのがよいでしょう。
※駆除が終わっても暫くは卵が増えていないか頭髪を観察してください。